オーソモレキュラー栄養療法
根本原因アプローチ編
健康増進目的で栄養療法をしても効果のない人
栄養の不足は結果であり、原因ではありません。基本的にはライフスタイルに問題があったり、隠れた炎症があったり、腸内環境の悪化などが原因だったりすることの結果なので、原因を見つけずに栄養だけを補充しても十分な効果は得られないことが多いのです。
そこで、「原因にフォーカスできる栄養療法」が次に重要となってきます。
血液検査で足りない栄養素を摂っても、うまくいかない人は、是非一度隠れた身体機能低下のチェックをお勧めします。
あなたの不調の根本原因は何?
慢性疲労、長引く体調不良、皮膚トラブル、PMS、うつ病、不眠、腹部症状の根本原因は?
根本原因の約半分は、食事、ストレス、睡眠不足、運動不足などの生活習慣、残りの半分は、隠れた消化管の炎症、上咽頭及び口腔内などの炎症、及び環境毒素などが考えられます。
ここが見つかっていないと栄養療法は十分な効果が得られないので、ここを見つける必要があります。
栄養不足は結果であり、原因ではありません。原因を治療しなければ栄養をいくら補充してもまた足りなくなります。栄養を消耗させる隠れた身体機能の低下をまず見つけ出し、改善していく必要があります。
例えば、自律神経をみるには唾液コルチゾール検査、腸内環境には便検査、ミトコンドリア機能を知るには尿検査などが役に立ちます。
根本原因アプローチ どうすればよくなる?
根本原因を取り去ること、ダメージを受けている体内システムを修復して機能を向上させ、並行して足りなくなっている栄養を補給する。
体のシステムの低下、つまり自律神経、腸内環境、肝臓のデトックス機能が低下していては、足りない栄養を補ってもうまくいかないので、まず根本原因にアプローチして、システムの修復を機能的に順序立てて行う必要があります。
- 根本原因の除去
生活習慣を改善して、炎症を取る - 副腎ケア
血糖値を安定させて自律神経を落ち着かせる - 消化管ケア
リーキーガットの修復と感染症の除去、腸内細菌叢の構築 - デトックス
解毒 - 脳
遺伝要因 メチレーション
バイオロジカル検査
検査をすることで身体の不調の根本原因にフォーカスした治療ができます。
当院では以下の検査を実施しています。
検査カテゴリ | 検査名 | 料金(税込) |
---|---|---|
腸内環境検査 | GI-MAP+ゾヌリン | 83,000円 |
腸内環境検査 | GI-MAP | 73,000円 |
腸内環境検査 | 有機酸検査 | 48,400円 |
副腎疲労検査 | 唾液コルチゾール検査(6回法)+DHEA | 43,820円 |
デトックス検査 | 毛髪ミネラル検査 | 30,000円 |
尿有機酸検査
〜腸・脳・栄養・代謝をつなぐ、体内のストーリーを読み解く検査〜
尿有機酸検査とは?
朝いちばんの尿を採取するだけで、74項目もの栄養・代謝状態を評価できる検査です。
体への負担が少なく、得られる情報は多岐にわたります。特に腸内環境と脳の働きの関係を探ることができる、ユニークな検査です。
腸と脳のつながりを探る検査
もともとは自閉症児の研究から生まれた検査で、腸内環境と精神状態の関係を探る目的で開発されました。
腸内の酵母菌(特にカンジダ)が作る代謝産物を尿から検出することで、腸の状態を間接的に把握できます。
この検査でわかること
① 腸内環境の乱れ
- カンジダの増殖を示す物質(アラビノース、酒石酸など)を検出
- 抗生物質使用後の腸内バランスの崩れも反映
② 神経伝達物質の代謝
- ドーパミン→ノルエピネフリンへの変換の流れをチェック
- HVA/VMA比で変換のスムーズさを評価
- ビタミンC不足、銅の異常、クロストリジウム菌の増加が影響することも
③ ミトコンドリアの機能
- エネルギー産生回路(TCAサイクル)の状態をチェック
- ビタミン・ミネラル不足、毒素、臓器機能低下などの影響も見えてきます
この検査の魅力
- 腸・脳・栄養・代謝・エネルギー産生が有機的に結びついて評価されます
- 単なる数値の羅列ではなく、身体のストーリーが浮かび上がるような検査です
- 精神的な不調や慢性疲労、原因不明の体調不良の根本原因を探るのに最適です
こんな方におすすめ
- 気分が不安定な方
- 慢性的な疲労がある方
- 腸の不調が続いている方
- 原因不明の不調を感じている方
「なんとなく不調…」そんな時こそ、身体の声を聞く第一歩として、ぜひご検討ください。
ご希望の方はスタッフまでお気軽にお声がけください。
検査結果は医師が丁寧にご説明いたします。
毛髪ミネラル検査
毛髪中に含まれるミネラルや重金属の排泄量を測定し、有害重金属の排泄能力やミネラルバランス、腸内環境に異常があるかどうかわかります。直近の3か月の状態を診ます。
お勧めする人
- とにかく疲れている方
- 副腎疲労の方
- 関節痛や筋肉痛、肩こりのある方
- 頭がボーとする、集中力がない、記憶障害がある方
- アマルガムがある(あった)方
GI-MAP検査
GI-MAP検査とは
GI-MAP(腸内微生物DNA解析)検査は、高感度PCR法を用いて、腸内環境を総合的に評価する先進的な便検査です。
細菌・ウイルス・寄生虫・免疫・消化機能・ホルモン関連まで、DNAレベルで詳細に解析。
従来の検査では見逃されがちな病原体も、より正確に検出できます。
? 検査でわかること
項目 | 内容 |
ヘリコバクター・ピロリ菌 | 一般的な便検査・呼気検査で陰性でも、DNAレベルでは腸内に残っていることが多く、高感度で検出可能。 |
共生細菌(善玉菌) | 腸内の良性細菌の量を評価。減少は腸内環境の悪化や免疫低下の原因に。 |
寄生虫 | ジアルジア・アメーバなどを検出。慢性下痢や腹部不快感の原因となることも。 |
カンジダ | 検出率は低めですが、陽性の場合は腸内に多く存在している可能性が高い。 |
免疫グロブリンIgA | 腸管粘膜の免疫指標。IgAが低下すると免疫力が落ち、悪性菌が活性化。ストレスによる胃痛・胸やけにも関連。 |
抗グリアジン抗体 | 陽性者はグルテン制限が有効。腸粘膜の炎症や不調と関連。 |
日和見菌の増加 | 消化不良により増加。過剰になるとSIBO(小腸内細菌異常増殖症)と関連。 |
炎症(カルプロテクチン) | 大腸の炎症を数値で評価。炎症性腸疾患のスクリーニングにも有用。 |
消化酵素の状態 | 消化機能を評価。脂肪の分解・吸収ができているかを確認。 |
ホルモン関連(βグルクロニダーゼ) | 女性ホルモンの再吸収を促す酵素の過剰をチェック。乳がんとの関連も研究中。 |
ゾヌリン | 腸壁の透過性(リーキーガット症候群)の評価指標。腸粘膜のバリア機能を反映。 |
GI-MAPの活用法
- 個別化された健康管理
検査結果に基づき、食事・サプリ・生活習慣を最適化。根本からの改善を目指します。
- 予防医学への応用
症状が出る前に病原体を発見し、早期対策が可能。未病の段階で介入できます。
- 慢性症状の改善
便秘・下痢・腹部膨満感などの慢性胃腸トラブル、疲労・肌荒れ・精神症状など原因不明の不調に対し、根本原因を特定しアプローチ可能。
こんな方におすすめ
- 原因不明の消化症状に悩む方(腹痛・下痢・便秘・消化不良など)
- 食物アレルギーや過敏症がある方
- 慢性的な疲労・副腎疲労がある方
- 免疫低下を感じる方
- ニキビ・肌荒れ・湿疹・乾癬などの皮膚疾患がある方
- 倦怠感・うつ病・不安神経症などの気分障害がある方
- 健康意識が高く、腸内環境を把握したい方
- 他の検査で異常が見つからない方
腸内環境を「見える化」する包括的ツール
GI-MAPは、単なる腸内フローラ検査を超え、腸の状態を多角的に可視化するツールです。
腸は「第2の脳」とも呼ばれ、全身の健康に深く関わっています。
だからこそ、自分の腸内環境を知ることは、未来の健康への投資です。
お勧めする人
消化管症状を伴わない消化管異常が多いため、すべての方に検査をお勧めいたしますが、特に以下のような症状の方にはお勧めいたします。
- 下痢や便秘、消化不良など明らかな消化器症状のある方
- 副腎疲労の方
- IBS(過敏性腸症候群)、IBD(炎症性腸疾患)の方
- SIBO(小腸内細菌異常増殖症)、リーキーガット症候群の方
- 自己免疫疾患の方
- にきび、湿疹、乾癬、などの皮膚疾患のある方
- 倦怠感、うつ病、不安神経症などの気分障害の方
唾液コルチゾール検査
コルチゾールは様々なストレスに対応するためのホルモンであり、起床時に最も高く、正午に向けて低下し、就寝時には一番低い状態へと日内変動をしている。
ストレスが多いと、コルチゾールが多く分泌され、副腎疲労(HPA軸機能障害)となる。
「朝起きられない」「疲れがとれない」そんな症状、ありませんか?
副腎はストレスに対応する重要な臓器です。
その働きが低下すると、日常生活にさまざまな不調が現れます。
唾液コルチゾール検査は、副腎の状態を可視化する有効な手段です。
唾液コルチゾール検査とは?
- 副腎から分泌される「コルチゾール(ストレスホルモン)」を唾液で測定
- 血糖値の維持、炎症の抑制、ストレス対応などに関与
- 唾液では「自由な(非結合の)コルチゾール」のみを測定できるため、より正確な副腎機能評価が可能
なぜ唾液検査が有効なのか?
比較項目 | 血液検査 | 唾液検査 |
測定対象 | 結合型が多く含まれる | 自由形(非結合型)のみ |
精度 | 副腎機能の反映が不明瞭 | 実際の副腎機能を反映 |
日内変動 | 測定困難 | 1日4~6回でリズムを反映可能 |
? 測定タイミングと評価内容
時間帯 | 評価内容 |
朝(7~9時) | 副腎の基本活性度 |
昼(12時) | ストレスへの適応力 |
夕方(16時) | 血糖コントロール能力 |
深夜(24時) | 副腎の安定性 |
CAR(起床後) | 副腎の活性度、ストレス反応性の指標 |
副腎疲労のステージ分類
ステージ名 | 状態説明 |
抵抗期(ステージ1) | コルチゾール過剰。エネルギーはあるが脳に負担がかかる |
移行期(ステージ2) | コルチゾール低下開始。症状が徐々に現れる |
疲弊期(ステージ3) | コルチゾール著しく低下。日常生活に支障をきたす |
治療アプローチ
- 生活習慣の見直し:血糖安定、良質な睡眠、適度な運動、ストレス管理
- サプリメントの活用:コルチゾール調整、血糖コントロール、ビタミン類、ミトコンドリアサポート
- 根本原因への対応:副腎機能が安定したら、腸管感染症の治療、重金属デトックス、慢性炎症の改善など段階的にアプローチ
このような症状がある方におすすめです
- 朝起きるのがつらく、午前中にエネルギーが出ない
- 立ち眩みやめまいを頻繁に感じる
- 慢性的な疲労感があり、休んでも回復しない
- コーヒーや甘いものが無いと集中できない
- ストレスに弱く、些細なことで不安やイライラを感じる
- 睡眠の質が悪く、夜中に何度も目が覚める
- PMSや更年期症状が強く出る
- 風邪をひきやすく、免疫力が低下していると感じる
- 甲状腺や血糖値の異常があるが、原因がはっきりしない
- 長期的なストレスやトラウマ経験がある
- うつ症状や不安障害など、メンタル面の不調を感じている
- 健康診断では「異常なし」と言われるが、体調がすぐれない
これらの症状がある方は、副腎の機能が低下している可能性があります。
唾液コルチゾール検査は、そうした「見えにくい不調」の原因を明らかにする手がかりになります。
遅延型フードアレルギー検査
ある特定の食べ物に対してアレルギー反応を起こすか否かの目安にあるのが食物アレルギー検査です。
食物アレルギーには、即時型(IgE)と遅延型(IgG)の2種類があります。
即日型は、食物摂取後すぐに典型的な症状が出る為、原因となる食物がわかりやすいのが特徴です。
遅延型は、食物摂取後症状が出るまでに場合によっては数日以上かかります。そのためアレルギーの発症を自覚すのが困難になります。症状は身体的なものから精神的なものまで多彩です。
遅延型のアレルギー反応が出ている場合、必ずしもその食物にアレルギーがあるとは限りません。
IgG反応は腸のバリア機能が低下していることを意味しています。
また。カンジダ抗体の有無も測定します。
対象となる方
- とにかく疲れている方
- アレルギーのある方
- 甘い物を食べずにいられない方
当院のビジョン
疾患の治療、 症状の消失が、人生のゴールではありません。
その先のやりたいこと、実現したい人生のお手伝いができれば、幸いです。